リニア中央新幹線の開業を目指すJR東海は29日、総延長42.8キロに延伸した山梨リニア実験線(山梨県上野原市−笛吹市)で新型車両L0系を使って、約2年ぶりに最高時速500キロでの試験走行を再開した。

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 JR東海は1997年4月から、実験線の先行区間18.4キロで試験していたが、2011年9月から休止し、東の上野原市側に7.8キロ、西の笛吹市側に16.6キロ延伸する工事を完了した。
 試験走行に先立って行われた出発式で、葛西敬之同社会長は「21世紀の新しい超高速輸送をリードするリニアが走り始めることは、世界の交通技術史上に記念すべき足跡を残す出来事」とあいさつした。

 出発式後、太田国土交通相、同社の葛西敬之会長らが5両編成のL0系に乗り込んで走行し、505キロを記録した。太田国交相は「(騒音も少なく)車内でも普通に会話ができた。世界に誇れる技術と確信した」と感想を述べた。

 最高時速500キロでの走行を繰り返して耐久性などの性能をチェックし、2027年の東京―名古屋間開業を目指す。走行試験は16年度まで実施。いずれ車両を営業運行の12両編成にする。駅や走行ルートは、今秋公表する環境影響評価準備書で示す。





防音フードに小窓 読売新聞

 JR東海は、29日から山梨リニア実験線(上野原市―笛吹市)で、リニア中央新幹線の開業に向けた走行試験を再開する。同新幹線は、高速走行による騒音を軽減するため、地上部分の多くがコンクリート製の防音フードで覆われる見込みだ。同社は車窓からの景色が楽しめるようにフードに小窓を設け、走行試験でどのように見えるかをテストする。だが、県や地元自治体はフードの透明化を求めており、両者のせめぎ合いはしばらく続きそうだ。

 小窓の大きさは、縦80センチ横40センチで、走行中のリニアの窓と同じ高さの所に180センチの等間隔で設置されている。高速走行すると、小窓から見える景色が静止画のように見え、その残像がつながってアニメーションのように景色全体が楽しめる仕掛けとなっている。

 同社では、大月市のフード区間60メートルのほか、都留市にあるトンネルに接続するフード150メートルの2か所で実験を行う。中からの視認性や小窓の耐久性などを確認する。小窓は幅約14メートルの半円形のフード全体に対し、ごくわずかな面積しかないため、同社は「外側からリニアが走行する様子は見ることは難しい」としている。

 コンクリート製のフードについては、沿線の自治体などから、土管のような外観が景観を損なうといった意見や、観光資源としても期待しているリニアの走行シーンが見られないなど、不満の声が相次いでいる。

 今月26日には、中央市、南アルプス市、富士川町でつくる地域活性化対策協議会が、同社に対しフードの透明化を要望することを決めた。横内知事も同27日の定例記者会見で「小窓からどんな形で外が見られるのか確かめたい。しかし我々としては、甲府盆地の側からリニアの走っている姿が見え、リニアからも景観が見えなければ困るので、透明化の研究開発をしっかりやってもらいたい」と注文を付けた。

 これに対し、同社は「透明なアクリルなどでは防音効果がなく、耐久性やメンテナンスの面で難しい」との姿勢を崩しておらず、議論は平行線をたどっている。