鹿角、仙北2013年国体に合わせ

 秋田県は、受け入れを表明した2013年の「第68回国体冬季大会スキー競技会」に合わせて、鹿角市と仙北市のスキー場などを改修・整備し、全日本大会や国際大会が開催できる環境を整える。高レベルの大会を誘致することで、県内の冬季スポーツの振興を図るとともに、国内外での地域の知名度アップ、地域活性化につなげたい考えだ。

 秋田県の佐竹知事は、9月9日の県議会9月定例会で、日本体育協会などから要請されていた2013年の国体スキー競技会の鹿角市開催を受諾する方針を示した。佐竹知事はこの場で、「全国規模のスキー大会を今後も積極的に誘致し、冬季スポーツの振興を図る」とも述べ、スキー場の機能強化に取り組む姿勢を強調した。

花輪ジャンプ台 秋田県スポーツ振興課によると、国体会場となる花輪スキー場(鹿角市)には、スタート地点から着地の終点までの距離(ヒルサイズ)が50〜84メートルのジャンプ台「ミディアムヒル」が2基ある。国体では使用可能だが、国際的な公式記録としては認定されないため、このうち1基のヒルサイズを延長し、国際スキー連盟(FIS)の基準に基づく「ノーマルヒル」(85〜109メートル)に改修する。

 ノーマルヒルが完成すれば、全日本学生選手権やインターハイなど、全日本クラスの大会を誘致できるほか、国際大会出場を目指す国内外の選手の合宿地として活用が期待される。

 また、田沢湖スキー場(仙北市)では、FIS公認のモーグルコースを整備する。同スキー場の13コースのうち、「黒森山コース」は、既に距離や平均斜度などが公認コースの条件を満たしているため、スタート・ゴール地点やコブ、ジャンプ台などの体裁を整えるだけで済む。

 国内の公認コースは福島県などに数か所あるだけ。田沢湖スキー場で公認されれば、モーグルを種目とするフリースタイルスキー・ワールドカップなどの国際大会の開催も可能になるという。

 花輪スキー場で改修するジャンプ台は、現在でも84メートルあるため、1メートル延長するだけでノーマルヒルとなる。着地地点を掘り下げる工事などに概算で2億5000万円程度かかる見込み。県は、国体開催に伴うスポーツ振興くじ(toto)の助成金を充てる方向で検討している。

 また、モーグルコースは、コブの設置などは人力でできるため、整備費用は少額で済む見通し。いずれも早ければ12年度にも予算を計上、着工し、13年の国体までの完成を目指す。

 県スポーツ振興課は「トップレベルの選手の来県は県内選手にとって刺激になる。大会開催を機に本県を訪れる人たちが増えれば、地域の活性化や秋田の魅力のPRにつながる」と期待している。

◆地域経済の起爆剤
 大規模なスポーツイベントの開催は、地域へのメリットも大きい。鹿角市スポーツ振興課によると、同市で今年2月に開催した国体スキー競技会の経済波及効果は、市の試算で約1億8000万円に上る。
 同市の十和田八幡平観光物産協会の会長で、大湯温泉で「龍門亭千葉旅館」を営む千葉潤一さん(53)は「観光がオフシーズンを迎える冬場に集客力のあるビッグイベントが開かれれば、ホテル・旅館での宿泊に加え、地元の小売店などでも消費が伴い、地域経済の起爆剤になりうる」と歓迎している。

◆韓国人客に期待
 県のスキー場などの改修・整備計画は、2018年に韓国・平昌(ピョンチャン)で開催される冬季五輪を見据えたものだ。
 県は、韓国にはスキー場が少ないため、冬季五輪で競技人気が高まり、多くの韓国人スキー客が海外に流出するとみている。こうした状況を踏まえ、佐竹知事は今年7月に訪韓し、大韓航空などにスキー客誘致への協力を求めた。
 秋田空港のソウル線を利用する韓国人客は、東日本大震災後に落ち込んでいるが、近年は温泉などを目当てに、冬場の利用者が増加傾向にあった。そこで、スキー人気も搭乗率の向上につなげようという考えだ。
 県は今議会の一般会計補正予算案に、韓国のスキー関係者らを県内に招いたり、プロモーション用ビデオを作ったりするPR事業費約660万円を盛り込んだ。