茨城県は14日、県内全17カ所の海水浴場について、福島第1原発事故を受けて海水の放射性物質の濃度と砂浜の放射線量を検査した結果、「十分低い値で問題ない」と発表した。
 調査は6月7〜10日に実施。海水からヨウ素やセシウムなどは検出されず、砂浜の放射線量は1時間当たり0.05〜0.14マイクロシーベルトだった。
 砂浜については環境省が基準値を定めていないため、文部科学省が設定した学校の校庭の土に対する放射線量の基準値(1時間当たり1マイクロシーベルト)を参考値とし、これを下回っているとした。

<調査結果>(県報告内容)
1.海水の放射能濃度測定結果
 ・全17海水浴場において、放射性ヨウ素及び放射性セシウムはすべて不検出。
 ・文部科学省(約10から50キロメートル沖)や東京電力(約3キロメートル)が実施している本県沖の調査においても、いずれも不検出。
2.砂浜の放射線量率測定結果
 ・17海水浴場のうち、砂浜の無い1箇所を除く16海水浴場で測定した結果、0.05〜0.14μSv/h。
 ・文部科学省が示した1μSv/h※に比べて十分低い値。

◇震災の影響で断念した海水浴場も
 北茨城市は2011年夏、市唯一の海水浴場「磯原二ツ島海水浴場」を閉じることを決めた。震災復旧が間に合わず、また余震などの可能性もあって「海水浴客の安全が確保できない」と判断したためだ。
 「磯原二ツ島海水浴場」では津波によって、海岸や海中にがれきが散乱した状態となっている。また海水浴場に面した「二ツ島」の岩壁が崩落するおそれもあり、やむなく開設を断念した。

◇環境省は「泳いでも問題ない濃度」を検討
 環境省は、泳いでも問題がない指針となる放射性物質の濃度について新たに検討を開始した。検討会には水質や放射性物質の専門家が参加。東電福島第一原発の事故を受けて、海のほか、川や湖にある水浴場を管理する関東地方などの各県から、泳ぐ場合に、海水などに含まれる放射性物質の濃度がどの程度なら問題がないのか示してほしいという要望が相次いでいることから、泳いでも問題がない海水や砂浜などの放射性物質の濃度の数値や調査の方法を指針をまとめることとなった。これまでの海水浴場などでの水質調査は、水に含まれる大腸菌群の数や透明度などについて行われているが、放射性物質については基準となるような数値はない。環境省は、専門家の意見を踏まえて今月中には指針を作り、各都道府県に示す予定。