世間の人々もメディアも、「宮川選手=正義、体操協会=悪」とみなして批判一色になりつつあるが、そうすることが問題の改善を遅らせ、「アスリート・ファースト」という本質から外れる危険性をはらんでいる。
まずは第三者が事実を調べ直した上で、「どこをどう改善すべきか」を見極め、実行に移すというステップが重要なのであって、過剰な批判は、その判断を焦らせ、狂わせることにつながりかねない。

世間を騒がせ続けている「若手からトップへの告発」は、その大半がスポーツ業界のものだが、今後は「うちの団体や会社はどうか? うちのトップはどうか?」と他業界に広がる可能性もある。
現在、団体や会社の上層部に属するビジネスパーソンにとっても、一連の騒動は決して対岸の火事ではない。
クライシスマネジメント(危機管理)を考えておく必要がある。

今回の件もすべてが良い悪いではなく、互いに「そういうつもりではなかった」「ここは誤解されたくない」という点もあるはず。
年齢差があるほど、より相手を尊重し合い、会話を重ねて理解を深めることでしか、このギャップは埋まらないもの。
どんな組織でも、年齢差の大きい両者のやり取りには、ギャップを埋める間の年齢層が欠かせない。
中間にあたる30代、40代、50代あたりの年齢層が機能していれば、ここまで問題は大きくならなかったし、このような年齢層の補完性はビジネスシーンにおいても重要。

「現役アスリートが勇気を持って立ち上がる」という現象が連鎖する日本スポーツ界の未来は明るい。
今の若い選手たちが指導者になったとき、日本スポーツ界は現在よりも健全で強くなっているに違いない。