長野、岐阜両県にまたがる御嶽山(3067メートル)の噴火を受け、山形地方気象台は29日、宮城県境にある蔵王山など県内火山の活動状況を発表した。蔵王山は昨年から活動が活発化しているが、「直ちに噴火する兆候はない」として冷静な対応を求めた。県や周辺自治体は来年度から避難計画の見直しに着手する予定だが、観光客の安全をいかに守れるかが課題となっている。

蔵王 気象台によると、蔵王山で観測された火山性地震は、2010年9月〜12年12月の発生数が8回だけだったが、13年が212回、今年は8月までに154回と増加。中でも8月は106回で、同月は1日で44回発生したこともあった。マグマの移動に伴う火山性微動も、10年9月〜12年12月はなかったが、13年は14回、今年は5回と増加している。ただ、今月に入ってからは沈静化。地熱の拡大や地殻変動など、他の指標に大きな変動は起きてない。

 会見した高橋忠・火山防災官は、「蔵王は活火山で、噴火する可能性があることを認識してほしい」と呼び掛ける。一方、「直ちに噴火する兆候はない。御嶽山の噴火は衝撃的だったが、蔵王山を危険だと思い過ぎるのではなく、適度な恐れを持ってほしい」と話している。

 気象台によると、蔵王山は、8世紀以降、古文書などに噴火した記録が残されている。今回の御嶽山噴火と同様に水蒸気噴火が多く、観光名所となっているお釜も噴火によってできたとされる。蔵王山が噴火した場合、斜面の崩落などが想定されるほか、冬には熱で雪が解けて泥流になり、広範囲に被害が出る可能性があるという。

 また、県内のほかの活火山、鳥海山、吾妻山、肘折についても、直ちに噴火する兆候はないとしている。