気象庁が31日発表した向こう1か月の予報では、8月の平均気温は、ほぼ全国的に平年より高い見込みとし、残暑が厳しい夏となりそう。

・8月の平均気温は、
 北日本(北海道、東北)、東日本(関東甲信、北陸、東海)で平年より高い
 西日本(近畿、中国、四国、九州)で平年並みか高い見通し
・8月の降水量は、
 南からの温かく湿った気流の影響で西日本の太平洋側で多い
 気圧の谷の影響で北日本、西日本では日照時間が平年並みか少ない見通し

8月temp

気象庁などは当初、エルニーニョ現象が夏にも発生して北日本で冷夏となる可能性もあるとしていたが、発生は秋にずれこむとし、太平洋からインド洋の海面水温が平年より高い影響で大気全体が暖められ、北半球全体で気温の上昇傾向が続いている。

猛暑の要因の一つが、南米ペルー沖の海面水温が高くなるエルニーニョ現象発生の遅れであり、同現象が夏に発生すると、太平洋高気圧の日本付近への張り出しを弱め、冷夏になりやすいとされるが、現象の引き金となる貿易風の弱まりが予想より遅れ、暖かい海水が太平洋の西側から東側へ移動しづらくなり、ペルー沖の海面水温は現時点で現象発生の基準に達していない。
流れが滞った太平洋西側の海面の水温は、日照時間の長さなどから特にフィリピン付近で6月に平年より1度以上高くなり高温が続いた。このため多くの上昇気流が生じて積乱雲が発達。気流は日本付近で下降し太平洋高気圧の勢力を強めた。
海面水温は太平洋だけでなくインド洋までの広い範囲で高い傾向にあり、海面に接する大気も暖められている。北半球の大気全体の気温は平年比で0.5度ほど押し上げられており、8月も暖かい空気に覆われ、猛暑が続く見込み。