ブラジルW杯はグループリーグ全48試合が終了し決勝トーナメントに進出する16チームが出揃った。

今大会で象徴的なのは、パスをつないでボール支配率を高めても勝ちあげれないという、戦術の革命が起こったことである。

オランダカウンター攻撃

2010年南アフリカ大会では、圧倒的にボール支配率が高いチームが勝ってきた。
その代表格が王者スペインだ。
細かくパスをつないでボール支配率を高めるスペインは、1次リーグB組で
 初戦のオランダ戦で57%
 第2戦のチリ戦で56%
 第3戦のオーストラリア戦で55%
とボール支配率で相手を圧倒していた。
でも、
結果は1勝2敗の3位でGLで敗退。

ブラジル大会では、その得点シーンからもわかるとおり、鋭いカウンターから前線の決定力のある『個』の技術を活かして相手ゴールを襲う戦術が目立つ。
これは明らかな世界のサッカーのトレンドの変化である。

グループリーグの48試合で勝敗がついた39試合のデータでは、
 ボールを支配したチームの勝ち・・・21チーム(53.85%)
 ボールを支配されたチームの勝ち・・・18チーム(46.15%)

ちなみに
2010年南アフリカ大会の勝敗がついた48試合(PK戦は除く)
 ボールを支配したチームの勝ち・・・29チーム(60.42%)
 ボール支配率50%のチーム・・・5チーム(10.42%)
 ボールを支配されたチームの勝ち・・・14チーム(29.17%)

勝ったチームのボール支配率の平均
 2014年 ブラジル大会・・・50.92%
 2010年 南アフリカ大会52.44%


ここまで(GL)は、前回大会とは異なる新たなトレンドとなっている。
スペインでさえ、通用しなかったパスサッカーが、日本に通用する訳がない!って見方もある。
このあとの決勝Tでは、単に『カウンター』と『個』の技術だけでは、通じないと思われるが、
より複雑で攻守に柔軟で変則的な戦術を敷いてくるチームが勝ちあがっていくのかもしれない。

そういう見方で決勝リーグを観戦してみたいと思う・・・