豪雪対策、真夏の始動 新潟県の自治体 日経新聞

 夏の暑さが続くなか、新潟県内の自治体が早くも冬の豪雪対策を始めている。新潟市は町内会などを対象に歩道用の除雪機械購入費を助成する。小千谷市は除雪した雪を捨てやすいよう、住宅前の流雪溝のふたの取り換えに着手する。ここ数年、県内では想定を超える豪雪に見舞われることが増えている。除雪機の納入や工事の完了には時間がかかるため、夏のうちに着手して準備を整える。

1307241001 新潟市は歩道の除雪に使う手押しタイプの除雪機で、購入費用の半分を100万円を上限に助成する制度を設けた。今年度は10台程度の利用を見込み250万円の予算を組んだが、申請が多ければ増額する。
 市は2011年度から除雪機を町内会などに貸し出しており、12年度は73台に増やした。貸与時のルールとして、通学路など公共性の高い場所に限定しており「それ以外でも使いたいので購入するための補助がほしいとの要望が増えた」(土木部)という。
 除雪機は夏場に発注しないと、肝心の降雪期に納入が間に合わないことがある。そのため「夏場から対策をどんどん進める」(同)。
 道路の流雪溝のふたを、扉を開くように回転させて投入口を作る観音開き型への取り換えに着手するのが小千谷市。現状は約20キロの金属製のふたがついているが、重くて持ち上げられない高齢者や女性に配慮する。

 市は800万円の予算を組み、8月にも緊急性の高い場所から取り換えを始める。流雪溝には格子状の転落防止装置が付いているので、作業中に溝に落ちる懸念はないという。
 県も対策を進める。国が幹線道路の除雪費用を補助する「雪寒(せっかん)指定道路」の見直しに向けた検討を進める中、県は市町村から要望をまとめ7月下旬に提出する。豪雪により除雪費用が膨れあがり財源確保に悩む自治体は多い。見直しにより指定路線は増えそうで、冬場の自動車交通網確保につながる期待がある。