北朝鮮に「世界クラス」のスキーリゾート 建設始まる

 北朝鮮に「世界クラス」のスキーリゾートを建設する計画が進んでいる。朝鮮中央通信(KCNA)はこのほど、東部・江原道の現場を視察する金正恩(キムジョンウン)第1書記の姿を伝えた。

120 標高768メートルの馬息嶺に、ホテルを併設したスキー場が開設される見通し。一帯は11月上旬から3月上旬にかけて雪に覆われる。上級から初級まで、幅40〜120メートル、延べ11万メートルのコースを設けるという。現場には平壌と元山をつなぐ観光道路が通じている。

 金第1書記はスイスへの留学経験があり、スキー場には詳しいようだ。KCNAによれば、コースの随所に救護所を設置することや、事故防止用の自動監視システムを導入することを提案し、生態系の保護や工事による汚染防止を求めるなど環境への配慮も示しているという。

 北朝鮮への旅を専門に扱う北京の高麗旅行社によると、スキーリゾート建設の計画は2〜3年前から浮上していたが、工事は最近始まった。基本プランの情報は先週入ったばかりだという。オープンの時期は発表されていない。

 一方、韓国のある脱北者は匿名で韓国メディアに「住民や兵士の食糧が不足する中でスキー場建設に大金をつぎ込むのは、金第1書記のイメージアップを狙った動きだ」と話した。北朝鮮に現在あるスキー施設は軍専用だと指摘し、「今回もそうなる可能性が高い」との見方を示した。
(CNN)
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「世界クラス」の北朝鮮の新スキーリゾート、この冬登場か

 平昌(ピョンチャン)よ、気を付けよ。2018年冬季オリンピックが韓国の平昌で開催されるが、北朝鮮もそれに匹敵する世界クラスのスキー場を備えることを目指している。

 北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は26日、金正恩第1書記が同国東海岸の元山(ウォンサン)近郊の一部完成したスキーリゾートを視察したと報じた。このスキーリゾートは軍部が建設にあたっている。KCNAは、金第1書記が少数の軍幹部らに対し、年間積雪量や排水路、休憩所について詳細な指示を与える様子をとらえた写真を掲載した。それは「雪が解けた後もゲレンデがきれいに見えるように」との指示で、軍幹部らはメモを取っていた。

 KCNAは、金第1書記が面積数十万平方メートル、全長11万メートルに及び、あらゆる難易度を有するゲレンデのリゾートを視察して「大いに満足だった」と報じた。第1書記は完成すれば、「国中がスキーブームになるだろう」と述べた、と引用された。

 同報道によると、馬息嶺スキー場の開発着手から1年もたっていないが、金第1書記は今年の初雪までには完成するように命じた。ホテルやヘリポート、空中ケーブルも完備される予定で、第1書記は「世界クラス」でなければならないと強調したという。KCNAによると、このリゾートの最高地点の標高は1360メートルを超える。

 金第1書記はスキーの経験が全くないわけではない。スイスで教育を受けた経験があり、当地で芸術やアルペンスポーツの科学にも触れたことは明らかだ。同氏がダウンヒル(マウンテンバイクで急斜面を下る自転車競技)かスラローム(スキーなどの回転競技)、モーグル(コブ斜面を滑走するスキー種目)のいずれを好むのか、あるいはスノーボードに傾倒しているのかは知られていない。

 平昌での冬季オリンピック開催が2011年に決まった時、韓国第1野党の民主党の党首は北朝鮮との共同開催を打診してはどうかと提案したが、同案は何らの注目を集めなかった。
(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版)