80歳でエベレスト登頂 三浦さん「限界に挑戦」 (産経新聞)

 冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さん(79)が来年5月、80歳で3度目のエベレスト(チョモランマ、8848メートル)に挑む。成功すれば世界最高齢での登頂になる。三浦さんは、平成15年に当時世界最高齢の70歳でエベレスト登頂に成功。20年には不整脈などの持病を乗り越え、75歳での登頂を果たしている。過去2回の遠征はいずれもネパール側のルートだったが、今回はチベットから世界最高峰を目指す。

555 チベットルートは、最近の温暖化の影響などから雪が少なく、岩の露出が多いと予想され高度な登攀(とうはん)技術が求められるという。このため三浦さんは夏から本格的なトレーニングを始め、7月は北海道の羊蹄(ようてい)山に登った。その後、北アルプス剱岳(つるぎだけ)で、岩盤など困難なバリエーションルートの源次郎尾根からの登攀に挑み、ロッククライミングの特訓に励んだ。都内でもクライミングジムでトレーニングを行っている。今年秋には、次男でモーグル元五輪選手の豪太さん(43)らと、ネパール・ヒマラヤの6千メートル峰に登り、高度順化などのトレーニングや体調のチェックを行う。その後、国内での準備を経て来年春に日本を出発。5月に豪太さんらとともに再び地球の頂点を目指すという。標高8千メートルを超える高所は、酸素濃度が平地の3分の1となる。加齢制御医学(アンチエイジング)の専門家でもある豪太さんは、老化に深くかかわっている物質が、低酸素状態の環境下でいかに変化するかをモニターし、酸素と老化の関係の研究につなげる。
 三浦さんは2度目のエベレスト登頂後、新たな目標を「今度は80歳で中国側から登る」と設定した。しかし翌年の21年冬、スキー場で事故にあい、骨盤と肋骨(ろっこつ)を骨折する重傷を負った。それでも「絶対に夢をあきらめない」という強い意志でリハビリに努め、回復。登山やスキーを続けてきた。
 東日本大震災後の昨年8月には、被災した宮城県塩釜市の親子ら35人とともに富士山に登山した。11月には3度目のエベレスト挑戦のトレーニングで、ネパールに遠征し、メラピーク(6476メートル)に登頂している。

 三浦さんは「エベレストの頂上は歩いていくことができる宇宙。80歳での登頂は、できるかどうか分からないけれど、やってみる。限界への挑戦です」と話している。