豪雪逆手に「夏の雪祭り」 新潟・上中越で続々 (朝日新聞)

 冬には「早く消えないか」とうんざりしながら見つめた雪を保存して、夏のイベントの呼び物に使う。豪雪を逆手にとった「夏の雪祭り」が、新潟県の中・上越地方で増えている。県は「雪国・新潟への誘客に」と後押しするが、夏の太陽から雪を守るのはなかなか大変なようだ。

120827 小千谷市城内1丁目の「おぢやまつり」会場に25日、大型ダンプ36台分の雪でつくられた高さ4メートルと2メートルの雪山が現れた。雪の中に埋まったおもちゃや番号札を探し出すゲームがあり、半袖姿の子どもたちが歓声を上げた。
 十日町市室野で12日にあった夏祭りでも、公園に130トン分の雪山が作られ、約500人がソリ遊びや雪上スイカ割りを楽しんだ。昨年3月の長野県北部地震からの復興イベントとして今年初めて企画された。区長の米持実夫さん(66)は「名物イベントとして定着させたい」という。

 新潟県観光局によると、夏の雪祭りは7月下旬から中・上越の9市町17カ所で開かれた。このうち10カ所が今年初めて実施された。渋武容・観光局長は「雪は新潟のイメージのひとつ。人工雪ではない本物ならば、夏の観光客誘致が期待できる」と話す。 県は昨年度、雪を溶かさずにおく断熱材やシートの購入費の助成を行い、「サマースノーフェスティバル」の統一名を付け、PRに力を入れた。

 にいがた観光カリスマの村山達三さん(67)は「新潟には昭和20年代から冷蔵庫代わりの雪室があった。夏まで雪をとっておく伝統を『遊雪』に利用しない手はない」と語る。 だが、相手が自然だけに、思うようにいかない面もある。
 十日町市室野では、4月上旬に長さ20メートル、幅10メートル、高さ5.5メートル分の雪を直方体状に積み上げ、断熱シートをかぶせ、さらに保冷用に雪を1メートル上乗せした。 上部にできるくぼみに雨水をかき出すポンプを取り付けるなどの工夫を行い、米持区長も「雪を溶かさないように知恵を絞ったのは初めて」と話すが、それでも4カ月間で約7割の雪が消えてしまったという。
 雪を残す技術に詳しい雪だるま財団(上越市)職員の伊藤親臣さん(40)によると、断熱材や遮光シートなどを3層構造にして覆っても、雪は1日平均10〜15ミリ溶けるという。「雪の密度は均一ではなく、融解の予想は難しい。小まめなメンテナンスが必要」と指摘している。


雪が多いといっても、標高の低い場所での夏期まで保存させる努力は、並大抵のものではなかったと思います。