雪渓の眺め、月の光 涸沢フェス開幕 (信濃毎日新聞)

120827 さまざまな催しを通して山を楽しみながら、登山文化や安全な山登りなどについても考える「涸沢フェスティバル」が26日、標高約2300メートルの北アルプス・涸沢を主会場に3日間の日程で始まった。初日は涸沢カールで開会式があり、登山者や山小屋関係者ら約250人が3000メートル級の峰々を仰ぎ見ながらワインで乾杯、開幕を祝った。
 出版社の「山と渓谷社」が、一帯の山小屋と協力して開いている。26日夜は山小屋の明かりをろうそくの火だけにする催し「キャンドルナイト」があった。涸沢ヒュッテでは午後8時すぎに一斉に消灯。ほのかに光るろうそくの火が夜風に揺らめいた。火を吹き消すと、穂高連峰が夜空に黒く浮かび上がる。「月の光が青白いことを初めて実感した。とてもロマンチック」と、横浜市から訪れた会社員太田さとみさん(26)。
 涸沢に通じるルート沿いにある徳沢、横尾を含めた各会場では期間中、早朝の澄んだ空気の中での「朝ヨガ」、遭難時の応急処置方法や登山技術を学ぶ講習会などの催しが開かれる。