『環境共生バス 尾瀬で社会実験へ』 (読売新聞)

 群馬大とNPO法人「北関東産官学研究会」が中心となって試作した小型電気バスの自動車検査登録が来月上旬に完了し、公道を走行できる見通しとなった。設計と製作は太田市の民間企業が担った環境に優しい“県産バス”で、今後、尾瀬の入山者用や桐生市内の周遊用として社会実験を実施。将来的には県内企業に部品を発注して生産し、地元産業の活性化にもつなげたい考えだ。

120628-3 小型電気バスの試作は、独立行政法人・科学技術振興機構の「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」プロジェクトの一環として計画された。同大と同研究会が基本構想を練り、電気自動車(EV)試作会社「シンクトゥギャザー」が設計と製作を行った。バスは、全長4・4メートルの8輪車で10人乗り。屋根には最大出力560ワットの太陽光発電パネルを備えている。充電時間は家庭用の100ボルトコンセントで約8時間。1回の充電で約40キロ走ることができ、太陽光発電と併用すると最大約60キロの走行が可能になるという。安全性を重視し、道路運送車両法の保安基準に適合させるため、最高時速は19キロ・メートルに制限した。
 昨秋に試作車2台が完成し、同大敷地や公園などで試乗会を実施。PRを重ねてきた。今月12日に関東運輸局に書類が受理され、実車審査を経て来月上旬にナンバープレートが交付される見込み。公道が走れるようになれば、9月20〜23日の4日間、尾瀬の大清水―一ノ瀬間(3・5キロ)で、入山者を運ぶ社会実験に使われる予定だ。このほか、桐生市内で周遊バスとして活用する計画もある。もう1台の試作車も、夏にはナンバープレートの交付を受け、富山県・宇奈月温泉で利用される予定だ。
 「低速なので景色を楽しむことができる。二酸化炭素を排出しないため、自然保護が必要な観光地や街中の周遊に活用できる」とし、1000万円強での販売を予定しており、「工場見学やテーマパークの移動手段としても需要が見込める。大手自動車メーカーとも競合しない。県内企業を中心に部品の発注を行い、地域産業の活性化につなげたい」としている。