『個性より学力』 成績低下で

 高校時代の活動や人物像などを評価し、書類審査や面接などで合否を決めるアドミッション・オフィス(AO)入試を見直す動きが広がっている。国公立では初めて実施学部が減少、私立でも縮小や廃止を打ち出す大学が出始めた。受験関係者は「大学が一般入試でしっかりと学力を見る傾向にある」と指摘。「個性より学力」の傾向が強まりつつあるようだ。

 文部科学省の国公立大の平成24年度入試概要によると、東京工業大工学部や北九州市立大外国語学部など5大学5学部で新たにAO入試を導入するが、東工大理学部や京都府立大の文学部、生命環境学部など5大学6学部が廃止。AO入試を実施する大学数は今春と同じ69大学で、学部数は1減の172学部となる。国公立でのAO入試実施初年度となる12年度から初めて学部数が減少した。

 AO入試は、「個性的な学生の獲得」を目的に私立を中心に導入が進み、国公立では12年度に東北大や筑波大などが初めて導入。その後は右肩上がりで伸び続け、大学数は21年度に40.8%と初めて4割を突破し、学部数も同年度に30.7%で3割を超えていた。

 一方、一般入試に比べて入学者の成績が低下傾向にあるとの指摘があった。文科省は昨年5月、大学教育を受けるために必要な基礎学力が備わっているかを把握するため、大学入試センター試験の結果や高校の調査書の成績をAO入試の出願要件や合否判定に用いることを初めて要請。23年度は25大学61学部がセンター試験を課し、24年度も26大学64学部がセンター試験を併用する。

22年度に464大学1118学部が実施した私立でも、縮小や廃止の動きが出ている。23年度は同志社大の文学部と心理学部、明治大の理工学部の機械工学科などで廃止。同志社大は来春も社会学部で、明治大も理工学部の物理学科でそれぞれAO入試を取りやめる。早稲田大も来春、政経学部のAO入試の定員を約90人から約50人に減らす。

 明治大は「物理学科では過去2年、AO入試の定員2人に対し、大学が求めている学力を満たした生徒の受験がなく、合格者を出せなかった。他の入試にその分の定員をシフトすべきだと判断した」と説明。一方、同志社大では「多くの大学がAO入試を導入したことで、特徴的な学生の確保が難しくなった」と話す。

 河合塾教育情報部の富沢弘和チーフは、「AO入試の受験生にも大学側は一定の学力を求める傾向にある。AO入試の受験生も基礎学力を身につけることが必要」と指摘している。


今回の記事では、スポーツ選手に限った内容ではありませんが・・・

文武両道・・・ 聴こえは良いが、実際には厳しいもの。

 大学は何を学生に期待しているのか?
 学生は大学に進学して何をしていくのか?

大学側の意図と学生側の意図が、本当に一致しているからこそAO入試の意味があるのだと思う。

一般学力意外に秀でるところを評価しているから、そのシステムがあるのではないのでしょうか?

本来なら優秀なスポーツ選手には、各分野のスポーツアカデミー制度を国で充実していければ、無理して有名大学へ行かなくても良いトレーニングが出来る気もするが・・・

まあ、トップレベルの除いて、スポーツ選手と云えども学生は勉強が本分ですから学校の成績も大切。
優秀な選手は、勉強もしっかり出来る人が多い・・・