『NASAの衛星、落下予測は日本時間の24日未明から朝』

UARS
 米航空宇宙局(NASA)は22日、6年前に運用を終え、宇宙ごみとなって徐々に高度を下げている大気観測衛星「UARS」(長さ約10メートル、重さ約6トン)が米東部時間23日午後もしくは夕方に大気圏に突入する可能性があると発表した。日本時間の24日未明から同日朝に当たる。
 NASAは、この時間帯には北米上空は通過しないとしている。落下予想地域は日本を含む北緯57度から南緯57度の広い範囲。CNNテレビによると、NASAは大気圏突入後、数分で破片が地球に到達すると予測している。
 大気圏突入後に、分解した衛星の破片のうち26個(計532キロ)が長さ約800キロにわたって帯状に落下すると予測。破片は燃料タンクに使用されているチタニウムなどで、重さは大きい物で約160キロ。
 破片が当たり人が負傷する確率は3200分の1で、NASAの専門家は当たる人を特定した場合の確率は20兆分の1以下になるとしている。

 一方、日本政府は官邸連絡室を設置、藤村修官房長官は22日午後の記者会見で、米航空宇宙局(NASA)の運用を終えた人工衛星が24日に地球上に落下する可能性があるとして、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置したことを明らかにした。同長官は「日本周辺地域に落下し、国民に被害が出る可能性は極めて小さいと考えている。普段通りの生活を送っていただきたい」と述べ、国民に冷静な対応を呼び掛けた。
 藤村長官は「人工衛星の残骸には有害物質は含まれない」と説明。「わが国に何らかの危機、危険を及ぼす状況が認められる際には、即時に国民にお知らせする」と語った。
 この人工衛星は、1991年に打ち上げられた大気観測衛星「UARS」(約6トン)。藤村長官は「おおむね日本時間24日午前に大気圏に再突入し、一部が燃え尽きずに地表に落下することが予測されている」と説明した。NASAの最新情報の日本語訳は文部科学省のホームページに掲載されている。

 最初に日本上空に飛来が予測されるのは24日午前2時ごろで、北方領土周辺の上空。2度目は午前3時半ごろ、福井、滋賀、愛知各県の上空。3度目は午前5時ごろ、沖縄本島と台湾の間の海域という。

念のため、気をつけましょう!