花輪の大会コースは、急斜面で且つ、全長が短いため、ポールセットも細かくなり、難コースとして有名だが、
実際にこのコース見て「よく、こんなコースを下りてくるなぁ〜」と思ったのが正直な印象である。

選手たちも「完走出来ないのではないか?」との頭の中で過りながらも、
「でも、守っていてはタイムが出ない」と葛藤し、
「攻めどころは何処か?」の戦略を練りながら、
レースを組み立てていたに違いない。

コースプロフィール的には、4つのブロックに構成して戦略を立てると良いのかと思い、そう言う観点でレース観戦した。
 第1ブロック:スタート〜8旗門程度。中急斜面でリズム良く滑れるパート。まずは、ここでしっかり身体の動きをつくりたい。
 第2ブロック:S字カーブ(左〜右にカーブ)。斜面変化もあり、最大の難所。自分の勇気が試され、勝敗の分かれ道。失敗するところでもある。
 第3ブロック:ゴールエリアからも一望が出来、上部から選手が最大斜度に向かって飛び込んでくる見せ場。自分の技術を信じて下りるのみ。
 第4ブロック:最後の緩斜面。斜度が緩くなり最後の攻め処でもあるが、体力の限界点で落とし穴も・・・。

DFする殆どの選手が2ブロックと3ブロックだった。
力尽きて、最後の緩斜のちょっとした振り幅の罠にハマることも・・・。


国体では、日本のトップレベルの滑りを、しかも難コースを攻略して滑っていく姿を間近で観れて、良い勉強になった。
特に成年男子A、Bの選手たちの滑りには、ワクワクしながら観戦させていただいた。。

さて、
今回の観戦(応援)するメインレースは、競技2日目の『少年女子組』。
この日は、朝から天気も良く、絶好のレース日和。
成年男子B組が先のスタートで、まずは元オリンピック選手など完成度の高い選手たちの滑りを観戦。
その後のセット変えの時間を利用し、地元名物グルメを堪能。

いよいよ少年女子組のレースとなる。

女子組のポールセッターは、新潟県の方だった。
これまでのセット(1日目や成年男子B)と比較するとインターバルが少し取られ、
適度な振り幅を持たせながらもターンの入りが楽になるようになっていたと思う。
(女子選手の脚力や体力など、総合的な技量を鑑みての配慮とも受け取れる)

そしてレースが始まった。
今回のレースでは、スタートビブの1番、2番の選手が、そのままラップタイムを飾ることが多いが、
ビブNo.1の押味選手が、いきなりラップを維持していくレース運びとなった。
そして東北勢も上位を占めていくレース運び。(やはり、このコースを滑り慣れている地の利か?)

そんな中、注目していたのは新潟県選手のライン取り。(一応、セッターの意図が選手の滑りに出てくると思い)
少なくともゴールエリアから見れる3ブロック以降の滑りでは、上手くライン取りを構成していた。
急斜面では、高めのライン取りをキープし、身体が横を向くことなく、次のターンの切り替えのタイミングが早く取れていた。
結果、スキーが横を向く時間を極力短く出来、またポールを過ぎた部分の段掘れにもハマることなく、スキーが叩かれるの避けられていた。
最後の8〜9旗門の緩斜の入り口からはギアチェンジして、思いっきりフルアタックして攻めている。

急斜面での4ターンでは、見た目では速くない様に映ったのだが、ターニングポールを過ぎた場面での身体の向きが、しっかりフォールラインに向けており、スキーテールのズレが少ないためロスなく滑れていた。
ここで加速!と言う所で余裕があるから、他の選手よりも1〜2旗門上から最後の攻めが出来ていたように思う。

東京都の選手は、
27位(Bib48)、43位(Bib38)、75位(Bib104)、DF(Bib14)と言う結果であった。
4名とも決して滑りに守ることなく、あの難斜面を果敢に攻め下りてきたことは、今後のレースにおいて「自分の技術に大きな引き出しが出来た」に違いない。

ちなみに
少年女子組の完走率は、82%(104人/127人中)。

会期中は天候にも恵まれ、非常に良い大会だったと思う。

現地入りから約1週間・・・
選手、監督、コーチ、選手団役員、サービスマン、そして大会運営やボランティアに携わった地元の皆さん、
大変お疲れ様でした。